関節リウマチと「眼」

  • 2024.09.24

 さて、臓器シリーズ第5弾です。今回は「眼」がテーマです。  このブログを読んでくださっている関節リウマチ(RA)患者の皆さん、RAの眼合併症ってご存じですか?  いわゆる「白眼」の最も外側にある膜を「強膜」と呼びます。RAでは時に(決して頻度が高いわけではありませんが)、「上強膜炎」や「強膜炎」をきたします。これらでは、眼の痛みや眼の充血などの症状がみられるのですが、炎症が強いと「穿孔(せんこう)」といって穴が開いてしまうことがあるんですね。ですので、「上強膜炎」や「強膜炎」では...

日本酒検定1級合格!!

  • 2024.09.24

 先日受検しました日本酒検定1級の結果が返ってきました。自己採点通りの88点で合格でした。  3級(2023.12.24)→2級(2024.01.22)→準1級(2024.03.09)→1級(2024.09.07)と、ついに頂点に登り詰めました。「やっと終わった~」というのが正直なところです。  あとは2週間後に SAKE DIPLOMA 2次試験(テイスティング & 論述試験)が控えています。ここまで来たらあとは合格するしかない。こんだけやって落ちたら情けないなぁ。最後の上り坂で...

関節リウマチと「血球」

  • 2024.09.22

 さて、関節リウマチ(RA)と臓器シリーズの第4弾です。「肺」「腎」「肝」はRA診療において留意しなければならない三大臓器(私が勝手にそう呼んでいますが、現にそうだと思います)です。それと同様に重要なもの・・・それが今回のテーマである「血球」です。  血球には、赤血球、白血球、血小板があります。  赤血球が減少すれば「貧血」という状態になります。貧血になると立ち眩みや全身倦怠感、それが高度になれば心臓に負担がかかって浮腫(むくみ)などの症状が出現します。抗癌剤などの投与により白血球...

「集団心理」

  • 2024.09.22

 「集団心理」とは、個々の心理と一部重なるものの、全く別個のものである。「集団心理」は個々の無意識のうちにつくられ、そして増幅する。その正体を見破ることのできなかったかつての私は、それを「オバケ」と称していた。そして、極力それと対峙することを避けていた。  経営者が「孤独」と言われる所以にはいくつかある。一つには、日々「決断」の連続であるということである。「決断」とは「断つ」ということを「決める」ことである。そして、もう一つの大きなものが、まさにこの「集団心理」にあるといっても過言ではな...

足、足、足、足、足

  • 2024.09.20

 今日はこんなタイトルです。「足」という漢字がこれだけ並ぶと、その成り立ちが気になってしまいました。「口」の部分が胴体を表しているのでしょうか?そして、その下の部分が下肢を表現しているのでしょうか?  まあ、前置きはどうでもよいことです。ここからが本題です。今日は改めて、関節リウマチ(RA)診療における「足」の診察の重要性についてお話をしたいと思います。  まず、医学的に「足」というと、足関節(足首)より末梢(先)の部分を指します。決して、大腿(ふともも)や下腿(すねやふくらはぎ)...

「日本酒」と「人」

  • 2024.09.16

 SAKE DIPLOMA 2次試験(テイスティング&論述試験)まであと3週間となりました。  私は日本酒が趣味と誤解されがちなのですが、今までも何度も書いている通り、私にとって日本酒は決して趣味ではありません。そのような一面もあるかもしれませんが、少なくともそのような言葉で説明し尽せるものではありません。  それには理由があります。その一つは、常にチャレンジ精神を失わないという自分へのプレッシャーという一面です。クリニックを経営する上で、これまでもそしてこれからも数々の困難が降り...

関節リウマチと肝臓

  • 2024.09.14

 「肺」「腎」に続いての臓器シリーズ第3弾です。今回は「肝臓」についてお話をしましょう。  肝障害は、抗リウマチ薬の副作用としてしばしばみられるものです。そのため、薬剤の添付文書にては定期的に肝機能をチェックするようにという文言が入っています。  例えば、イグラチモド(ケアラム®)では、「本剤投与前には必ず肝機能の検査を実施すること。また、投与中は臨床症状を十分に観察するとともに、投与開始後最初の2ヵ月は2週に1回、以降は1ヵ月に1回など定期的に肝機能検査を行うこと」、サラゾスルフ...

関節リウマチと腎臓

  • 2024.09.13

 前回は、関節リウマチ(RA)と肺について書きました。今回も臓器との関連でお話したいと思います。  腎臓(じんぞう)は「尿」をつくる臓器です。体にとって不要な水分や老廃物を腎臓で「尿」という形にし、尿管から膀胱、そして尿道を介して体外に排出するわけですね。薬物の代謝産物も、その多くは尿中に排泄されます。  RAのアンカードラッグであるメトトレキサート(MTX)も、主に腎排泄型の薬剤です。腎臓の働きが低下していると、MTXの体外への排泄が低下する結果、MTXの血中濃度が上昇し、副作用...

関節リウマチと胸のレントゲン

  • 2024.09.11

 読者の関節リウマチ(RA)患者の皆さん、胸のレントゲン(胸部Xp)は定期的に撮影されていますか?1年に1回は胸部Xpを撮影することが重要です。それは、RAは関節炎だけを呈する疾患ではないからです。RAでは全身の色々な臓器に障害をきたすことがありますが、その代表臓器が「肺」です。  RAでは間質性肺疾患や気管支拡張症などの肺や気道病変をしばしば認めます。また、非結核性抗酸菌症(雑な言い方をしますと、結核菌の親戚のようなものです)の合併も非RA患者さんと比較すると多いことが知られています。...

メトトレキサート・・・本当にその量でいいのか?

  • 2024.09.10

 今回は久しぶりにお薬のお話をしようと思います。関節リウマチ(RA)診療におけるアンカードラッグであるメトトレキサート(MTX)についてです。  「関節リウマチ診療ガイドライン2024」にも明示されている通り、RAの診断がつけばまずMTXの使用を検討します。しかし、そのMTXの使い方に熟知していなければ、そのポテンシャルを十分に発揮することができません。今回はその点について言及したいと思います。  従来型合成抗リウマチ薬(csDMARD)には、10種類以上の薬剤が保険収載されていま...