孤高の境地、ついに覚醒

  • 2024.08.21

 「孤独」と「孤高」の狭間(2024.06.27)と以前書いた。現在は確実に「孤高」にいる。自らの内面が以前と異なり確実に変わった、覚醒したと実感できる。決して一時的なものではない。高揚感でもない。しっかり根の張った大木のような力強さを内面から感じるのである。そして、それはマグマのように湧き上がってくるものである。別人になったかのような感覚である。  経営者としての覚悟が備わっている。クリニックに関して何かを決断する際には、その決断は誰のためのものであるのか?クリニックのためそして患者さ...

超硬水仕込み

  • 2024.08.18

 日本酒の成分の約80%は「水」です。水の違いによって、その味わいも大きく異なります。  カリウム・リン・マグネシウム・カルシウムなどのミネラルが豊富な水は「硬水」、それらが少ない水は「軟水」と呼ばれます。日本は国土が狭く、川が急峻で短く、そして降雨量が多いが故に、ミネラルを含有しにくく、よって全体的に軟水傾向です。硬水で有名な「灘の男酒」(対義語は、「伏見の女酒」)であっても、その硬度は約100 mg/Lです。  一方、この日本酒の仕込みに使用される水は硬度が約250 m...

関節リウマチ診断の難しさ(その4)

  • 2024.08.18

 本日はこのシリーズの第4弾です。関節リウマチ(RA)の診断に血液検査は必ず必要ですが、血液検査だけでRAの診断ができるわけではありません。  今までの私の経験から言えば、リウマチ専門医でない医師のほとんどは、残念ながら血液検査だけでRAか否かを判断しています。その理由の大きなところは、医師国家試験にあるのではないかと思っています。本来、診断というものは、白・黒はっきりするケースは稀です。しかし、医師国家試験では典型的な例しか出題されないため、「この結果がこうであれば、こう判断する」とい...

選ばれることの重み

  • 2024.08.17

 患者さんは優しい医師を求めます。しかし、私から言わせれば、優しいだけの医師は医師ではありません。そして、患者さんの要望をそのまま聞いてくれる医師が、いい医師とは限りません。患者さんのことを考えて、患者さんとぶつかることも厭わない医師は貴重な存在です。「面倒くさい」と思われてしまえば、医師は何も言わないでしょうし、敢えて患者さんとぶつかることもしません。  「医師は職人」です。パフォーマンスは要りません。阿ることも要りません。基本を疎かにせず、問診・関節触診・関節エコーをしっかり行うこと...

関節リウマチ診断の難しさ(その3)

  • 2024.08.14

 関節リウマチ診断の難しさ(その1)(その2)では、関節リウマチ(RA)ではないにも関わらずRAと誤診されてしまった症例を紹介しました。今回はその逆のケースを紹介しましょう。  前回の(その2)では、高齢発症関節リウマチ(EORA)とリウマチ性多発筋痛症(PMR)の鑑別はしばしば困難な場合があると述べました。  PMRは高齢者に急性の経過(しばしばある日突然)で両肩関節痛や両肩関節の可動域制限が出現し、時に発熱や体重減少、抑うつ気分などの症状を伴うものですが、リウマチ・膠原病領域に...

関節リウマチ診断の難しさ(番外編:これはやっちゃいけない!!)

  • 2024.08.12

 皆さんしばらくこのシリーズは続きます。それは私がすごく怒っているからです。その対象は決して患者さんではありません。間違ったことを堂々と書いている医師に対してです。最近の私は、炎柱:煉獄杏寿郎と、風柱:不死川実弥が共存しているようです。  あるクリニックのホームページを見つけました。全国から関節リウマチ(RA)患者さんが集まっていると謳っており、「リウマチが治った」というタイトルの書籍を出している医師です。しかし、日本リウマチ学会のリウマチ専門医ではありません。そこには、「CRPの上昇、...

関節リウマチ診断の難しさ(その2)

  • 2024.08.10

 昨日は、関節リウマチ診断の難しさ(その1)として、関節痛+リウマトイド因子(RF)高値という理由だけで関節リウマチ(RA)と誤診されてしまっているケースを紹介しました。  今回は第2弾です。高齢者に急性の経過で(しばしばある日突然)両肩関節痛や両肩関節可動域制限(右か左どちらか一方ではなく、左右に症状の程度の差はあったとしても両側性というのが重要です)を認めた場合、リウマチ性多発筋痛症(PMR)という疾患が鑑別に挙がります。PMRという疾患は、高齢発症関節リウマチとしばしば鑑別が難しく...

不惑・・・そして知命

  • 2024.08.10

 「山霧」(2024.06.07)から2ヶ月・・・霧が晴れる瞬間とは、前触れもなく突如訪れるものである。最近の自分には迷いがない。完全に吹っ切れている。  孔子の論語には、「四十にして惑わず、五十にして天命を知る」とある。47歳の私は、不惑に辿り着くには時間がかかったが、知命に至るのは早かったようだ。  「煉獄瑠火の言葉」(2023.01.20)にあるように、母の教えの通り、天命に従い心を燃やし続けた煉獄杏寿郎・・・自らの姿を重ね合わせ力強く前に進むのである。  自らの命など...

関節リウマチ診断の難しさ(その1)

  • 2024.08.09

 「結実」(2024.08.03)でも書いたように、他院で関節リウマチ(RA)と診断され治療介入されていているのだが、症状の改善を認めないため、当院を受診される患者さんが最近増えている。  その中には、RAの診断が正しいのだが治療が十分でない方もいれば、そもそもRAの診断が正しくない人もいる。診断が正しくないのだから抗リウマチ薬を投与しても改善するわけがないのである。  具体的な例の一つは、リウマトイド因子(RF)が高値で関節痛があればRAと診断してしまうケースである。実はこのよう...

黄色い日本酒

  • 2024.08.07

 昨日に続き熟成酒の投稿です。私は決して普段から飲酒量が多い人間ではありません。テイスティングが中心の家呑みでは、頭で考えながら呑まないといけないので、むしろ飲酒量は少ないのです。  今回のお酒は昨日と同じ酒造さんで、2010年製造のものです。瓶は瑠璃色で綺麗ですね。  昨日は36年熟成のブラウン、本日は14年熟成のトパーズ・・・瓶とのコントラストだけでも十分楽しめます。  香りは昨日のものと似ていますが、カラメルの香りは少なめで、醤油やヨード香がより強く感じ...