「痛み止めによる悲劇」

  • 2024.12.14

 まずは皆さん、当院ブログの閲覧数 No.1 である「ロキソニンを毎日飲み続けている人へ(2023.05.14)」を読んでください。  世の中には、いわゆる「痛み止め」というものが何種類かあります。その代表が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:エヌセイドと呼びます)です。  「出されたから飲んでいただけです」(2024.10.22)でも書きましたが、日本リウマチ学会関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂版では、NSAIDは「疼痛緩和目的に必要最小量で短期間が望ましい」と明記され...

「大人のリンゴ病」

  • 2024.12.13

 インフルエンザだけでなく、リンゴ病が今大流行しています。リンゴ病は正確には「伝染性紅斑」と呼ばれ、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因となります。  リンゴ病は子供の病気と思われがちですが、大人も罹ります。子供の場合には、リンゴのように頬が赤くなるのでリンゴ病と呼ばれるわけですが、大人の場合にみられる症状は異なり、急性の経過であちこちの関節の痛みが出現し、しばしば手指や手が腫れます。その腫れ方は、関節リウマチのそれとは異なり、手指や手が全体的にという印象です。四肢に淡い紅斑(レ...

触診の大切さ

  • 2024.12.11

 関節リウマチ診療において、いかに触診が重要な診察であるかを今まで何度もブログで述べてきました。 「触診なくしてリウマチ診療なし」  今回は先日の診察でのお話をしましょう。  当院ではすべての患者さんに、受付時に体温を測定してもらっています。その方は38.0℃でした。熱がある場合には、受付スタッフがそれを私に報告し、私はどのような形で診療をするのかを指示します。ご本人は全く発熱の自覚はなく、発熱以外の症状も全くないとのことでした。  関節リウマチ(RA)患者さんに発熱を...

昨日診療後は名古屋で講演会でした。

  • 2024.12.08

 昨日土曜日の診療後、名古屋へ行って参りました。最近の週末は、ずっと学会や講演会・研究会で予定が埋まっていますね。  リンヴォック®(ウパダシチニブ)はJAK阻害薬の一つで、関節リウマチ(RA)だけでなく、たくさんの適応疾患を有しています。今回の特別講演は、体軸性脊椎関節炎特に強直性脊椎炎(AS)のお話でした。ASというと「炎症性腰背部痛」というイメージが強いのですが、末梢関節炎のみで発症するケースがあり、しかもそのようなケースは決して稀でないことを学びました。  リウマト...

リウマチだより(12月号)

  • 2024.12.05

 2年前より2ヶ月に1回、200ヶ所以上の湖北・湖東医療圏の病院・クリニックへ送付しているリウマチだよりです。今回は久しぶりに「関節エコー」をテーマに書きました。是非参考にしてください。 共通版リウマチだよりVol.13ダウンロード ...

ステロイド

  • 2024.12.05

 ステロイドという言葉を聞いたことのない人はきっといないでしょう。  ステロイドには、グルココルチコイド(GC)やミネラルコルチコイド、性ホルモンなどが含まれます。リウマチ・膠原病領域で使用されるプレドニゾロン(プレドニン®)やメチルプレドニゾロン(メドロール®)はGCの一つです。  関節リウマチ(RA)においてのGCの位置付けですが、以前から何度もブログで述べている通り、あくまで「補助的治療」であり、間質性肺疾患や血管炎合併例(悪性関節リウマチ)や、悪性腫瘍や非結核性抗酸菌症など...

第39回 日本臨床リウマチ学会

  • 2024.12.01

 本日は、臨床リウマチ学会での口演発表のため浜松へ行って参りました。  私の口演時間は、2日目最終日の最終セッションの最終演題・・・聴講者が少なかったのはやむをえません。昨年の臨床リウマチ学会での演題に引き続き、メトトレキサート皮下注製剤について、肝障害にスポットを当てて口演致しました。  学会終了後は、浜松餃子と地酒を堪能・・・「やらまいか!」「おいしょお!!」の乾杯音頭をやりたいだけでこのお店を選びました。結局4回やりましたね。元気もらえました。  その後...