骨粗鬆症学会認定医

  • 2022.07.21

 関節リウマチの方は本邦に70万~100万人いると言われているが、骨粗鬆症の方は約1300万人と言われており、骨粗鬆症は高血圧や糖尿病などと同様に非常にありふれた疾患であると言える。  その患者数から考えても、骨粗鬆症診療は決して整形外科医のみで成り立つものではなく、内科医の果たす役割は大きいものであり、現に一般内科医で骨粗鬆症治療薬を処方されているケースも多い。  しかし、滋賀県の骨粗鬆症学会認定医15名のうち、内科医は私を含め2名しかいない。骨粗鬆症診療に携わっている内科医は多...

「夢の国」からの文への申し添え

  • 2022.07.11

我がスタッフが、「夢の国」から、かのような文を出してくるとは・・まさにホームページの「スタッフへの想い」の『sense』そのものである。スタッフ全員が同じ方向を向いているということが、患者さんによく伝わる内容であると思う。このようなスタッフを持ったことを誇りに思う。 一方で、申し添えておかなければならないこと(あくまで補足という意味であり、かの文を踏みにじるものではない)もある。それは、患者さんは決してお客様ではないということである。医療というのは、我々からの一方通行で成り立つものではな...

ダレスバッグ・・・共に歩んで10年

  • 2022.07.07

このダレスバッグは、2012年7月7日に京都で購入した土屋鞄製造所のダレスバッグである。つまり、今日はこの鞄との10周年記念日なのである。 男、女に限らず、時計や車など、自らの所有物を自慢する者がいるが、私から言わせればそのような人間は実につまらない者であり、全く付き合う価値のない者である。そのような者は、得てして自分という人間で勝負できない、所有物でしか自らを誇示できない空虚な者たちだからである。 この鞄を持っていると、自然と背筋がピンと伸びる。歩き方を意識するようになる。周りに...

チームラボ:猪子寿之氏

  • 2022.07.04

昨日、栗東市での山本奈つき先生の講演座長を終えてからの帰宅後、何気なしにテレビをつけてみた。 チームラボの猪子寿之氏が取材を受けている番組だった。猪子氏を始めて知ったのは10年以上前のことである。その時の目つきといい、話している内容といい、何てぶっ飛んだ人間が世の中にいるもんだともの凄い衝撃を受けたのを今でもはっきりと覚えている。 昨日の番組で猪子氏が話している内容も、今の自分でさえ半分理解できるかどうかというものであったが、「他人に評価されなくとも、自分にとって意味があるから続け...

新聞広告から何を感じ取れるか?

  • 2022.06.28

これは昨年末のある新聞広告である。どれだけ自分自身に当てはまるだろうかと読んでみたが、そのほとんどがそのまま自分自身に当てはまるものあるいは納得させられるものであった。 己が開業を通じてやりたいことというのは、他の医師には理解できないものかもしれない。野望というよりも、成し遂げなければならないという社会的責務がマグマのように地の底から噴き出し、己を動かしているのである。つまりそれは自らの意志ではない。この極度に偏った囚われの精神によって、己は生かされているのである。父の弔いの戦という囚わ...

わがなすことは われのみぞしる

  • 2022.06.24

「世の人は われをなにとも ゆはゞいへ わがなすことは われのみぞしる」 下の書は、数年前に我がクリニックのスタッフからいただいた坂本龍馬の和歌である。 関節リウマチ診療はこの10~20年で大きく変化し、生物学的製剤やJAK阻害薬のように、関節破壊進行抑制効果の高い薬剤が使用可能となった。また、関節エコーによって関節リウマチの主病態である滑膜炎を正確に評価できるようになった。 それにも関わらず、未だにリウマチ専門医に通院していない患者さんが数多くおられる。これは不幸でしかない...

白衣・・・権威の象徴

  • 2022.06.18

「この隧道の中の汽車と、この田舎者の小娘と、そうして又この平凡な記事に埋っている夕刊と、―――これが象徴でなくて何であろう。不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう」(蜜柑:芥川龍之介) 「医師が白衣を着る」―――医師になってから、というよりも医学生の頃から、あまりに当然すぎて疑う余地もなかったことである。しかし、開業してから「なぜ医師は白衣を着るのか?」という疑問が頭を擡げるようになった。自分にとっての答えを探してみたが、適当なものは見つからなかった。結論は、医師に...

我は闘鶏・・未だ木鶏足りえず

  • 2022.06.18

診察中のわが心に沸き上がるあるいは忍び寄る感情の多くは「怒」である。それをコントロールするためには多くのエネルギーを必要とするが、「凪」は決して訪れない。負の感情は判断を鈍らせ、自らの周囲にも好からぬ影響を及ぼす。そのような自分に失望し愕然とする。大横綱である双葉山が目指した木鶏の境地とはいかなるものか。それは未だ私には見えない。(主) ...