本日市民公開講座でした。

  • 2023.06.11

 本日は生憎の雨でして、参加いただいた方は予想より少なく・・・  とはいうものの、参加いただいた方には少しでも良い情報を持ち帰っていただくべく講演致しました。皆さんの反応を正確に推し量ることは難しいのですが、その反応からは関節の触診をしていない医師が多い印象を受けました。  『関節の触診なくして、リウマチ診療なし』触診は、リウマチ医にとって本当に基本中の基本なのですが、それができていないというのは、医師の責任ですね。しかも、医師がその責任を自覚していないというのが大問題なのです。リ...

関節リウマチと回帰性リウマチ

  • 2023.06.09

 『リウマチ』というと通常は『関節リウマチ』のことを指しますが、疾患名に『リウマチ』というワードを含むものは決して『関節リウマチ』だけではありません。  関節リウマチに血管炎の病態を合併した悪性関節リウマチや、リウマチ性多発筋痛症、回帰性リウマチというものがありますが、ここでは回帰性リウマチについて触れたいと思います。  回帰性リウマチは、関節炎の発作を周期的に繰り返す疾患です。その周期は数ヶ月と長いものから2~3週間と短いものまでケースバイケースなのですが、関節炎は通常3~4日長...

指先から数えての第1関節が腫れたら、へバーデン結節(変形性関節症)だけでなく、『乾癬性関節炎』も想起を!

  • 2023.06.04

 手指は関節リウマチ(RA)の好発部位です。「手指のこわばりでしっかり握りこむことができない」「手指の節が痛い・腫れる」といった症状が、RAの主訴として最も多いものです。  中手指節関節(MCP関節:指の付け根の関節)や近位指節間関節(PIP関節:指先から数えての第2関節)が好発部位であり、遠位指節間関節(DIP関節:指先から数えての第1関節)は稀とされています。RAでもDIP関節に痛みや腫れが全く出ないわけではありませんが、DIP関節だけでなくMCP関節やPIP関節にも痛みや腫れがある...

本日は、『エフエムひこね』でラジオ収録がありました。

  • 2023.05.30

 本日は、彦根の『エフエムひこね』へ行って参りました。『+G ~SAZANAMI~』のコーナーでゲストとして参加させていただいたのです。勘の良い方はすでにお気づきでしょうが、インタビュアーは『さざなみ酒店』さんの御主人です。  関節リウマチという病気をもっと広く知って理解してもらいたいという思いを込めての収録でした。  もっと広報活動を頑張っていきたいですね。 ...

6/11(日)は、さざなみタウンで講演会!

  • 2023.05.28

 「最新情報」にすでに載せてありますが、6/11(日)13:30~さざなみタウンにて「よくわかる 関節リウマチと骨粗しょう症のお話&相談会」を開催します。  講演用のスライドは91枚用意致しました。関節リウマチや骨粗鬆症についての総論だけでなく、誤解されやすい事柄に関する解説などを盛り込んでおります。また、疾患に関するパンフレットも併せてお配り致します。  講演自体は60~70分の予定ですが、その後約10分の休憩を挟んだ後に、質問および相談のお時間を用意しております。 ...

先入観の罠

  • 2023.05.26

 『先入観』は常に判断を誤らせる根源です。それは医療の現場でも例外ではありません。救急の現場では、「きっと軽症だろう」という先入観が緊急疾患の見逃しに繋がります。しかし、人である以上、先入観を捨てよと言われてもなかなか実際のところ難しい面があります。大事なことはルーチンを怠らずに行うこと!これがエラーの防止に繋がるのです。  関節リウマチ(RA)診療では、『触診所見を関節エコーで確認する』こと。これがルーチンです。触診では「きっと滑膜炎はないだろう」と思って関節エコーを当ててみると、予想...

㊗ ブログ200件目

  • 2023.05.24

 本日の投稿がブログ200件目になります。昨年の6/1が初回投稿でしたので1年弱での達成です。だからどうしたという感じですが、最近は連日投稿なのでネタ探しに苦労します・・・  ブログは誰が読んでくれているのか、また反応がどうなのか全く分からないので、ニーズに応えようがなく、一方通行の発信になってしまう点が弱みですね。ただ、リウマチ診療において大事な点や誤解されやすい点は、これからも繰り返し強調していかないといけないと思っています。  診断のこと、評価のこと、治療のこと、合併症のこと...

副作用の伝え方と捉え方

  • 2023.05.23

 薬剤には副作用が存在します。抗リウマチ薬も例外ではありません。『メトトレキサート(MTX)』は関節リウマチ(RA)と診断されれば、まず投与を考慮する薬剤であり、RA患者さんの中で最も使用されているものです。  MTXには色々な副作用があります。内服した当日や翌日に嘔気(吐き気)や倦怠感(だるさ)が出ることがしばしばあります。MTXの用量が増えると肝障害も出やすくなります。中には、生命に関わるような感染症・血球減少・間質性肺炎・リンパ増殖性疾患を生じることもあります。口内炎は重篤な血球減...

大人のリンゴ病

  • 2023.05.22

 皆さん、リンゴ病って聞いたことありますよね?リンゴ病の正式な名称は、『伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)』です。ヒトパルボウイルスB19が原因ウイルスであり、子供の頬がその名の通り『リンゴ』のように赤くなるのが特徴です。  あまり知られていませんが、伝染性紅斑は子供だけに見られるわけではなく、実は大人にも見られるんです。ヒトパルボウイルスB19が大人に初感染すると、子供のように頬が赤くなることはほとんどなく、急性の経過で多関節痛や手指・手の腫れ、発熱、皮疹(レース状の淡い紅斑)などが見...

関節リウマチと診断されたら・・・

  • 2023.05.21

 関節リウマチ(RA)と診断されれば、NSAIDs(いわゆる痛み止め)やグルココルチコイド(ステロイド)だけで経過をみるということは絶対にありえません。その理由は、これらだけでは関節破壊の進行を抑えることができないからです。必ず抗リウマチ薬の投与が必要となります。  最初に考慮すべき薬剤がメトトレキサート(MTX)なのですが、もしRAと診断されてMTXを処方されなかったとすれば、以下の理由が考えられます。  ① 妊娠中・授乳中、透析中・高度の腎障害、高度の間質性肺疾患など、MTX投...