問. メトトレキサートによる吐き気にどう対応する?

  • 2023.05.05

 昨日に続いてのテスト形式です。架空症例です。  50歳・女性。6ヶ月前に関節リウマチ(RA)と診断され、メトトレキサート(MTX)が開始となった。MTX12mg/週(毎週日曜日のみ内服:朝食後6mg・夕食後6mg)により、関節痛はほぼ消失、関節腫脹もなく、『臨床的寛解』を達成できた。  しかし、日曜日の夕方から月曜日にかけての嘔気(=吐き気)や倦怠感(=だるさ)が強く、日常生活にも支障をきたしていた。  主治医はMTX12→10→8mg/週と、MTXを漸減(=段階を踏んでゆ...

クイズです!!

  • 2023.05.04

 ブログでクイズを載せている人なんて珍しいでしょう。架空の症例です。  70歳・女性。関節リウマチと診断され、メトトレキサート(MTX)を8mg/週(毎週土曜日のみ内服、朝食後4mg・夕食後4mg)内服している。腎機能はeGFR40~50(ml/min/1.73㎡)である。農家であり、このゴールデンウィークは田植えで忙しい。幸い天気は快晴で、真夏日の予想となっている。注意すべき点は何か?  ① 脱水にならないようこまめに水分を摂取する。  ② 尿が濃くないかどうかチェックする...

リウマチの薬は減らせる?

  • 2023.05.02

 関節リウマチ(RA)が、『寛解(かんかい)』という良い状態を維持できた場合、「お薬を減らせないのかなぁ?」とか「高い注射の薬(=生物学的製剤)の投与間隔を延ばせないのかなぁ?」といった思いを抱かれる方も多いと思います。  抗リウマチ薬の減量や生物学的製剤の投与間隔延長(=スペーシング)はどのような基準で行うのでしょうか?まだ明確な基準がないのが実状なのですが、一番やってはいけないのは、痛みのあり・なしだけを基準にお薬を調整することです。確かに痛みがないということは大事なことなのですが、...

『触診』の重要性が患者さんに伝わらない理由とは?

  • 2023.05.01

 関節リウマチ(RA)の診察において、関節の『触診』が最も重要であることは、当ブログで何度も書いてきました。しかし、RA患者さん(当院通院中の方に限らず)の中でそれを理解している方は極少数だと感じます。その一番の理由は何か?・・・  それは、触診の重要性を認識していないリウマチ医が多いからだと思っています。他院通院中の方が当院へ受診された場合、私は必ず「主治医の先生は診察の時に関節を触っていますか?」と尋ねます。しかし、その答えの多くは残念ながら『NO』なのです。医師がその重要性を認識し...

血液検査だけで関節リウマチと診断できる?

  • 2023.04.30

 関節リウマチ(RA)の診断は決して容易ではありません。血液検査をすれば簡単にRAかどうか診断できると思って来院される方もおられますが、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体の陽性率は、RAの約7割ですから、これらが陰性であってもRAを否定することはできません。(=偽陰性)  また、RFはB型肝炎や感染性心内膜炎、シェーグレン症候群などの他の膠原病でも陽性となりますし、時に何の病気のない方でも陽性となることがあります。(=偽陽性)  健診や人間ドックのオプションでRFが含まれている...

メトトレキサートが使えない時どうする?

  • 2023.04.29

 関節リウマチ(RA)治療において、メトトレキサート(MTX)はアンカードラッグの位置付けです。MTXをいかに使いこなすか?これがRA診療の最も大事な部分であると言っても過言ではありません。  しかし、先日にもブログで書いたように、患者さん全員に使用できるわけではありません。妊娠中や授乳中の方、高度な腎障害のある方、高度な間質性肺疾患がある方などには投与することはできません。では、そのような方にはどのような薬剤を使用すれば良いのでしょうか?生物学的製剤(BIO)やJAK阻害薬を直ちに使用...

この時代に関節リウマチを発症された方へ

  • 2023.04.28

 関節リウマチ(RA)治療は、この10年20年で劇的に進歩しました。現在RA診療のアンカードラッグの位置付けであるメトトレキサート(MTX)が本邦で承認されたのは1999年でしたが、当初は第一選択薬として使用することはできず、最大投与量も8mg/週まででした。  MTXは2011年に16mg/週まで増量することが可能となり、2022年には皮下注製剤であるメトジェクトも承認されました。  MTXが効果不十分な場合には、生物学的製剤(BIO)やJAK阻害薬を検討することとなりますが、B...

5月5日は…

  • 2023.04.28

奈良時代に中国より伝わった「端午の節句」。 季節の変わり目には邪気が寄りやすいので、季節ごとの飾りとお供えものをして厄払いをし、無病息災を願う風習がありました。 当院に通われている患者さんやご家族の息災を願って、スタッフみんなで兜を折りました。 色とりどりの兜が飾ってありますので、ぜひご覧ください。 ...

痛みを解剖する

  • 2023.04.27

 関節リウマチ(RA)診療において、患者さんの訴えの最も多くを占めるものは『痛み』です。RAは関節炎をきたす疾患なので当然と言えば当然のことです。しかし、その痛みの全てがRAに起因するものではありません。「足がつる」というのをRAのせいだと思い込んでいる方もおられますし、ヘバーデン結節やブシャール結節などの変形性関節症(OA)による痛みを、RAによるものと思い込んでいる方もおられます。  我々リウマチ医(リウマチ医に限りませんが・・)は、患者さんの訴えを鵜呑みにしてはいけません。その痛み...

メトトレキサートを正しく使おう!

  • 2023.04.25

 メトトレキサート(MTX)は、関節リウマチ(RA)診療において中心的な役割を果たす薬剤であることは論を俟ちません。RAと診断されれば、禁忌事項および年齢・腎機能・肺合併症を踏まえた上、MTX投与が可能かどうかを考慮します。禁忌事項に該当しない若年で腎機能が正常な肺病変のない患者さんには、文句なしにMTXを投与することができます。  本邦でのMTX診療ガイドライン2016は、今年2023年に『手引き』と名称を変え改定されましたが、MTXは10~12mg/週まで増量することが記されています...