人が忌避するもの
- 2024.06.11
芥川龍之介の「羅生門」にあるように、疫病や飢饉などにより、町中に屍がゴロゴロとしている時代があった。そうでなくとも、長らく人類の死因の第一位が感染症であったわけで、抗生物質のない時代には、死を身近に感じる機会が人には多くあった。 人はいつから「死」を日常生活から排除するようになったのであろうか? 私は死について考えない日は一日もない。こんなことを言うと、暗い奴と思われる読者も多いかもしれない。しかし、生と死はそもそも表裏一体のものである。死について考えるということは、生につい...